GO☆GO☆ダイアリィ
 
日々のトキメキ&ダラダラをお届けです
 



2008年11月26日を表示

続 とある寿司店にて

そう言って彼は3分後店に彼女を連れてやってきた。
驚いたことに昨日やめた彼女だった。
「ミサトちゃん、君、ランチ君と知り合いだったんだね!いやいや、そんなことより、結婚おめでとう、お腹には赤ちゃんがいるんだってね!」
「旭店長、突然辞めてしまいすみませんでした。今、体長が不安定な時期でご迷惑おかけするのも申し訳なくて…」
「ポスターは見てて知ってけど、ランチと知り合った頃はそのポスターの人物がランチとは思わなかったのよ。、つい最近、会話の中でランチがここでアルバイトしてたって聞いて…。で、ポスターの事話したら、彼、旭店長に会いに行くって!

「そうか。そうか。ミサトちゃんが僕らを引き合わせてくれたようなもんだね。ありがとう。お腹の子と共に幸せになるんだよ。」
「はい。」
彼女は満面の笑みで私と彼と、そしてお腹を最後に見つめた。

「あっ。ポスターも書き換えなくちゃいけないね。」
そう言った彼女は、古いポスターを剥がし、手書きでこう書いた。
『ランチ再会しました。』
「君がいた頃の常連さんもまだ何人か通い続けててくれてるから、このポスター見たらビックリすると思うぞ。そうだ!」
その新しいポスターの下に
『11:30~14:00』と書き足した。
「店長、何です?その時間?」
「ランチ君がアルバイトに入ってくれるなら、中止していたお昼メニューを再開しようかと思ってね。ただ、あれはかなりお得なメニューだったから、再開するとかなりの注文が来るのではと予想するが、今の人手ではまかないきれない。限定○食とかにしても良いのだが、このポスターを見てお昼メニューが始まった事が気付く人はランチ君の事を心配してくれた人だろうから、まずそういう人に食べてもらいたいんだ!」
「店長、ナイスアイディア!明日から自分頑張ります!!」

ただのチェーン店だか、差別化することで客の入りは違う。
最近はその情熱も薄れ、惰性で毎日過ごしてきた気がした。
彼の笑顔を見ていたら、充電されたかのように自分にもパワーがみなぎってきた。
新しいポスターがなんだか、自分への決起ポスターにみえてきた。
「自分も頑張ろう。」
私も心の中で大きく叫んだ。


という長い妄想をした(笑)
写真は一部の友達に話したけど、近所の店に実際に貼ってあるポスターです。



11月26日(水)15:52 | トラックバック(0) | コメント(2) | 趣味 | 管理

とある持ち帰り専門の寿司店にて・・・

「登場人物紹介」
 寿司屋店員 旭 たつまろ
 謎の外国人 ランチ


自分はとある持ち帰り専門寿司チェーンで店長をしている。
店長と言っても所詮雇われ店長。
寿司も握る(まぁ、具を乗せるだけなんだが)し
バイトの子らのシフトが合わなければ店頭にも立つ。
なのに立場だけは管理職扱いなので残業手当はつかない、いわゆる「名ばかり店長」である。
今日はバイトが急に休み、店頭に立って未だ慣れない接客をしている。
この地域は外国人の就労者も多く
うちは寿司屋にしては安いランクなので、外国人の客も多い。
接客が慣れない理由のひとつは、それもあったりする。
また一人、外国人の客が店内にやってきた。

「いらっしゃいませ。」
初めて来た客だ。少し薄汚れた作業着を着ていた。多分仕事帰りなんだろう。
目深にキャップをかぶっている。
客は店内を見て気に入る寿司がなかったのか帰っていった。
「またのご来店お待ちしております。」
そう言った私の顔をその客は最後に何か言いたそうに私を見て去っていった。

翌日。昨日休んだバイトの子は急に辞めた。
昨日は風邪と言っていたが多分うちより良いバイト先でもみつけたのだろう。
理由はどうあれ、前にもそんな事があった。
きっと世の中的には「最近の若い子は」という一言で片づけてしまえる事柄なのだろう。
そんなことより、しばらく私が店頭に立つ日が続きそうだ。

「いらっしゃいませ。」
昨日の外国人だ。今日は休みなのかラフな格好である。
今日も目深にキャップをかぶっていた。
外国人は寿司を無視してレジにいきなり歩み寄ってきた。
強盗か!?今日のこのお昼の時間はたまたま私しか店内にいない。
私は一瞬恐怖を覚え反射的に一歩下がった。
「…旭店長」
「?」
「店長、私です。5年前にアルバイトでお世話になったランチです!」
何処かで聞き覚えのある声と流暢な日本語、そして“私”という一人称・・・。
12年前、店長になって初めて店を任された時にアルバイトに入ってきた外国人がランチ、彼であった。
「ランチ君!あぁ昨日来てくれたランチ君だったんだね!5年前と風貌が変わってて驚いたよ!久しぶりじゃないか!!」
「昨日、本当は話しかけるつもりで入ったんですが、話しかけ辛くて…ほら私、突然辞めちゃったし。」
そうなのである。彼も突然休み、その後、行方知れずになっていたのである。
「あの時はびっくりしたし、どうしたのか今でもランチ君の事が気になってたんだよ。丁度、店長になったばかりでお昼メニューを決める提案を本部に出そうとしてる時で、君はアルバイトなのに関わらず真剣に一緒に取り組んでくれてたのに。それに常連さん達からも評判良かったし。だから皆が心配して、店に貼り紙までして君の事を探したりしたよ。ほら。」
色褪せた手書きのポスターを指差した。
「店長、あの時はすみません。あの時、僕は実は危ない所から金を借りてしまって。いや。借りた時は、そんな危ない所だとは気付かなかったんですが…。あの日、取り立ての車が店の駐車場で待ち構えてるのを見て、そのまま…。」
「そうだったよ!あの時は恐いお兄ちゃん達が何人か外で待ってて、暫くしたら、ランチ君がいるか聞きにきてさぁ。自分にお金の事を相談してくれたら少しでも役に立てたかもしれないのに。何で言ってくれなかったんだい?」
「店長にお金を借りることも考えたのですが、店長からだけは借りれないなって…」
「?それはどうしてだい?」
「あのお昼メニュー企画の時の店長の一生懸命な姿勢を見ていたら、知らなかったとはいえ、そんな所でお金を借りた私が恥ずかしくて…」
「あの企画で一生懸命になれたのは、君がいたからだよ!あの時の企画は数ある応募の中から私のものが採用されたんだよ。君と喜びを分かち合いたかったよ!ただ、今では人手不足でお昼メニューから手をひいてしまったがね。
 でも何より君の無事が分かって良かった!
 お金は返したのかい?今は仕事してるんだろ?」
「はい。なんとかお金も返しました。仕事もしてますが、外国人というせいか、中々安定した職業につけず日雇いの日々です。」
「じゃあ、明日からまたアルバイトに来ないかい?
 今、丁度欠員が一人出てしまって困ってるんだよ。
 君は接客も出来るし外国人の多いこの店で喋れる人がいたら助かるよ!」
とっさに出ていた。正直、彼が去った時、急にいなくなりかなり彼に失望したのだが
お昼新メニュー企画では、かなり力になってもらった。一人だったら採用はなかっただろう。
その想いのが強く蘇ってきた。
「是非!実は急にお金がまた必要になって、働き口を探していたんです。」
「今度は危ないところで借りるなよ。」
「はい。今度は自分の稼いだお金が必要なんです。…実は妻が妊娠しまして。」
「そうか!そうか!君は知らない間に結婚もしたんだね!しかも子供まで!」
「実は妊娠が分かったのはつい最近で、入籍も一昨日したところなんです。デキ婚なんですけどね。今、妻が車で待っているので店長に紹介したいのですが、よろしいでしょうか?」
「連れてきなさい!連れてきなさい!」



11月26日(水)15:50 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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