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2008年12月1日を表示

とある寿司店にてファイナル

ランチ君がアルバイトに入ってくれ
自分も以前のようなヤル気に満ち溢れていた。
あんなに嫌だったカウンターでの接客も今では楽しく感じる。
シャレの利かせたポスターも
常連の人の何人かは分かってくれた。
そしてランチ君が戻ってくれたことを本当に喜んでくれた。
勿論自分には妻も子もいるのだが、
この仕事場である寿司店も、
家族で過ごしているような場所に感じるようになってきた。
充実した日々に突然上司である地区長から電話があった。

電話をしてきた上司はこう言った。
「旭さんも長いこと今の店舗で頑張ってくれた。
 ずっと前のお昼メニュー採用の件や
 店舗売上の伸びを本社も評価してくれてね。
 旭さんを昇格と同時に多店舗に異動が決まったよ。
 イレギュラーな時期の異動ではあるが、クリスマスや正月に向けて
 新任先の店舗で今までの経験を生かして欲しいんだよ。」

突然の異動の知らせだった。
異動先は今より少し離れた街中にある店舗で
場所柄は良いのだか、イマイチ売上が悪い店舗であるのだが
そこで経験を生かして何とか売り上げアップに協力してほしいと言われた。
「ありがとうございます。」
これしか言う事はできなかった。
出世に貪欲な方でなかったので、
正直言うと今の店舗を去らなければいけないショックな気持ちが大きい。
しかしサラリーマンである以上、断るということは私にはできなかった。
妻と子の顔がよぎった。
そしてその後、ランチ君の顔もよぎった・・・。

電話があった翌日、ランチ君に切り出した。
「実は12月から異動になって、他店に行くことが決まったんだ。
 今までありがとう。」
彼はびっくりしていた。
「何処ですか?私もその店に行きます!」
「馬鹿な事をいうんじゃない。気持はとても嬉しいが、ここの店は君の家から近い。
 ミサトちゃんもお産の日が刻々と近付いてきているじゅゃないか。
 イザという時にすぐに飛んで行けるし、
 君には何より君を待っていてくれた常連さんを任せたいんだ。」
ここまで言った私の目に知らない間に涙が溢れてきた。
「店長・・・。」
ランチ君も言葉に詰まっているようだ。
もう彼は私の息子のような存在になっていた。
「別に辞める訳ではないから。ここにもたまには顔を出すよ。
 ランチ君の頑張りに期待しているし、君がいればこの店はもう大丈夫だ。」
「そんなこと言ったって私は・・・店長がいないと自信ないんです。」
「・・・それは私も同じだよ。今までの君のサポートがあって私は本社から評価されたんだ。」
「偉くなるんですが?」
「少しだけね。」
「それなら、私は店長を笑顔で送り出します。そしてこれをお守りにします。」
ランチ君は
”ランチ再会しました”とか書かれたあのポスターを剥がした。
「お守りには少し大きいけど、カバンの中に入れて、店長が近くにいることを感じて頑張ります!」
「君がそうやって思ってくれてる事は私もすごく励みになる。ありがとう。子供が生まれたら知らせておくれ。」
そして、その晩私達は閉店後
二人でささやかな餞別会として一杯飲んで別れた。

そして、今日から新しい店舗。
本当に不安で本社が何を評価してくれたのか判らない・・・と思わなくもないが
ここは頑張るしかない。
「皆さん、おはようございます。今日から地区副店長として働くことになりました旭たつまろです。皆さんよろろしくお願いします。」
とにかく明るく大きな声で挨拶をした。
私の声にびっくりしたのか、若い男性社員が驚いていたが
真剣なまなざしで私の話を聞いてくれた。
その真剣なまなざしに私はランチ君を重ねていた。
私はここでも頑張れそうだ。
意味もなく小さな自身がわいてきた。

私の心にはいつでもあのポスターが貼られている。
近いうち父親になった彼に「再会」できるのを楽しみに
新天地で頑張ることを決心した。



とある寿司店の例のポスター。
今日横を通ったら・・・

なくなってました!!!!

みると思わずほくそえんでしまう
ある意味癒しスポットでもあったのに。
残念です(笑)



12月1日(月)22:01 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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